結いの党のメールマガジンに投稿しました捕鯨に関する記事です。
捕鯨に関して、現在、私が思うところを記載しましたので、ご一読下さい。

去る2014年3月31日、国際司法裁判所(ICJ)は、農林水産省の許可に基づき共同船舶株式会社の行う第二期南極海鯨類捕獲調査 (JARPAⅡ) が、国際捕鯨取締条約8条1
項に定める科学的調査の範囲を超えているという内容の判決を下しました。私は、 衆議院議員になる以前から、 捕鯨問題に非常に強い関心を寄せており、本判決が出された翌日の
4月1日衆議院法務委員会において、この問題を取り上げました。

同判決にあげられた理由は多岐にわたりますが、 概要以下の点が注目すべきところだと思います。

1. 致死的調査以外の方法による調査方法の検討・採用を行っていない。

2. 許可を受けた頭数と実際に捕獲している頭数が異なる。(意味するところは、捕獲実数で調査目的を満足できるのであれば、許可頭数を減らすべきであり、他方捕獲実数が調査目的を満足しないのであれば、捕獲頭数を増やすべき)

3. 調査のレビューが終わっていないのに再調査が行われている。

これらを見ると、理屈の上では真っ当です。我が国が1985年に商業捕鯨モラトリアムに対する異議申し立てを撤回することで「名」を捨て、国際捕鯨取締条約8条に基づく調査
捕鯨の実施により事実上、捕鯨文化と鯨食文化を維持するという「実」を取ってきた本音と建前の使い分けによる捕鯨政策の矛盾点を突いています。

これは我が国のマルチの条約における交渉の失敗の現れの一例だと思います。
我が国は、商業捕鯨モラトリアムが設定された直後の1982年に商業捕鯨モラトリアムに対して異議を申し立てましたが、日米のバイの漁業交渉を有利に運ばせるために、マルチ
の条約である国際捕鯨取締条約上の異議申し立ての撤回を譲歩のカードとして利用したわけです。

こうした本音と建前の使い分けは、外交交渉の中で勝ち取った実利なのかもしれませんが、文書化されていないという点に問題がある他、マルチの条約の中では複数の交渉相手
がいるので、二国間交渉で勝ち取った実利が他国に通用しないといったマイナスもあります。 ノルウェーは、国際捕鯨取締条約10条に基づき、商業捕鯨モラトリアムに対して異
議申し立てを行っており、その結果として今でも商業捕鯨を続けています。やはり、我が国もノルウェーと共闘していくべきだったと言わざるを得ません。

これにより、我が国の調査捕鯨は、大きな転換点を迎えています。この4月26日に今年度の沿岸における第二期北太平洋鯨類捕獲調査がスタートしましたが、沖合については同
判決の趣旨に鑑み、一部縮小して行うこととされ、また来年度以降の第二期南極海鯨類捕獲調査については、規模縮小の上、新たに調査計画を練り直すということです。

しかし、あくまで最終ゴールは、商業捕鯨の再開であり、いわゆる調査捕鯨については、商業捕鯨再開のために必要な科学データを採取するために行うべきです。本音と建前を使
い分け、調査捕鯨によって実利が取ることを理由にお茶を濁してはいけません。速やかに調査の結果を国際的に打ち出し、適切な数の鯨類(特にミンククジラ)の捕獲を行わなけ
れば、競合魚類の捕獲すべき餌が不足するなどして、却って生態系のバランスが崩れ、競合魚類の数が減少する可能性が高いことを明確化することが必要です。その上で、水産資
源の持続可能な利用を達成するために、国際スキームの上で捕獲頭数をきちんと管理監督しながら商業捕鯨の再開をするべく、同様に水産資源の持続可能な利用を意図する勢力を
IWC内でも増やしていかねばなりません。

非常に厳しい道程になりますが、今こそ、日本捕鯨政策の転換を図っていかなければなりません。私自身、引き続き、このために頑張ってまいりたいと思います。