本日の思考実験。

本日は、会館でずっと会議だったわけだが、会議のときにも議論となった総理の災害対応について、会議終了後に秘書と色々議論をしてみた。

自分が総理だったとして、その日の午前中からゴルフをすることが予定されている休暇中の朝にこのような災害の報告を受けたとき、どのように対応するのが適切なのだろうか。危機管理に熟練するためには、自分がその場・そのポジションにいることを前提にロールプレイをすることでトレーニングする以外に方法はない。突然未曾有の災害を経験して、リーダーとして適切な振る舞いをすることが出来る人間なんていない。だからこういう思考実験をすることが大事なのではないか。

米国でも同じようなことがあった。2005年ハリケーン・カトリーナがフロリダからメキシコ湾を経て再び上陸してルイジアナへと抜ける中で、ルイジアナでかなり大きな被害が発生した。この時ブッシュ大統領は、テキサスの牧場で休暇中であり、カトリーナがフロリダを通過した後非常事態宣言を出し、ニューオリンズ市民への避難勧告を出した。その後、カトリーナの影響がルイジアナ州内で非常に甚大であったことから、数日後に休暇を切り上げてDCに帰った。

災害対応の第一義的な責任は、当然だが広島市にある。災害対策基本法に基づき定められている広島市地域防災計画(風水害編)に基づき、広島市長が災害対策本部長となり、災害への対応(避難指示など)を行う。

市町村から状況を知らせてもらった都道府県知事が国(担当大臣)に、自衛隊の災害派遣要請を行う。

国のサイドでは、関係省庁連絡会議を司るのは基本的には防災担当大臣で、情報収集についても同様に内閣府防災担当(副大臣、政務官を含む)が行うこと、DMATの派遣については厚労大臣、TECFORCEの派遣については国交大臣が行うべきこと、警察の広域緊急援助隊の派遣は警察庁長官が行うこと。

全部災害法制を詳らかに調べられていないが、総理が東京で行うべきことがどこまであるのだろうか。総理が法的な指揮命令系統を無視してあれやこれや指示を出したりすることによる混乱を避けるということも必要だろうし、総理が防災担当大臣を信頼している、完全に一任してある、という声明を出すだけでは足りないのだろうか。

実際朝6時半の段階で総理から災害への対応方針に対する指示が出されていて、それ以外に具体的に出来ることはあるだろうか。

総理がゴルフにでる前に、防災担当大臣への指示を含めやるべき事は行った上で、かつ本来的に実働すべき広島市・広島県知事がきちんと動いていることが確認されているのであれば、あとは何をするべきだったか。

むしろ、総理が敢えて出ていかない事によって、東日本大震災のような県をまたぐような広域の被害でもない、国家の一大事とまで言うべきレベルの災害ではない、と位置づけることも必要なのではないか。むしろ、そのほうが地方の自律的な対応を促す、ということになるのではないか。

これに対しては、人の命を軽んじているのではないか、という批判が当然だがありうる。他の事象と比較をして相対化を図ることがいいのではないか。一昨年には約年間4500人程度の交通事故の死亡事故があり、2時間に一人が亡くなっている。一昨年、最大で一日25人亡くなっている。例えば、1日に25人交通事故で亡くなったからと言って、国家の一大事だと言い、総理が休暇から帰ってこないといけないか?

こういった交通事故の設例と具体的に何が違うか?

あと考えるべきはメディア対応か。

蒸気含めて色々考え、議論をしてみた。いちいち全ての論点について自分の考えを示すつもりもなく、結論だけ書くが、僕自身が総理だったら、メディアでの見え方を考えてゴルフのスタートはせず、別荘で待機をしながら情報収集と必要あれば防災担当大臣に対する指示をする。基本的には防災担当大臣にメディア対応含めて一任というところが妥当のような気がする。ゴルフをすることによって、もし重大な密談をする予定であったのなら、別荘での待機しながら室内で行う、というところで落とすのが良いのではないか。

色々考えてみると、ゴルフのスタートをした事自体は、必ずしも非難しなければならないことでもないように思う。ただ非難をすることは誰でもできるが、やはり僕は、自分が与党だったら、自分がそのポジションにいたら、ということを常に考えるようにしていきたいと思う。