先だって、5月16日衆議院法務委員会の一般質疑で、取調べの可視化(録音録画)について取り上げました。

その際、例として挙げたのが、↓「三鷹市痴漢冤罪事件」です。

 

JR吉祥寺駅から京王線仙川駅までの小田急バスの中で、中学校の先生が痴漢をした疑いで起訴され、一審が東京都迷惑防止条例違反事件で有罪だった事件です。

車載カメラには、被告人となった先生がバスの中で左手つり革、右手に携帯電話、という状況が映されていて、かつメールの送信・受信記録から送信時間も証明されていました。ただ、数秒間だけ、車載カメラの映像から左手が消えていた時間がありました。第一審裁判所は、それをとらえて、犯行は「容易ではないけれども、それが不可能とか著しく困難とまでは言えない」と述べて、被害者供述の信用性を肯定し、有罪判決を出したものです。

先だって出された法制審の答申では、可視化される取調べは、「裁判員裁判の対象事件警察と検察の取り調べの最初から最後まで」+「検察の特捜部や特別刑事部が独自に扱う事件の取り調べ」ということになりました。

要するに、本件みたいな、迷惑防止条例違反事件(罰金40万円)みたいな軽微な事件は裁判員裁判対象事件でないので、可視化対象とならないということになってしまいます。本件の警察段階取り調べでどういった問題があったかについては、詳細は分からないですので、一般論になりますが、本件のような痴漢冤罪事件では、被疑者供述の信用性と被害者供述の信用性が争点になるので、取調べの過程で証言を取ることが重要な意味を持ちます。

こういう例を考えると、罪の軽重を問わず身柄事件については、警察・検察取調べまで含めて可視化対象とすることを引き続き検討しないといけないなぁと思います。まだまだ、勉強して参りたいと思います。

本件、高裁判決で逆転無罪となったということで、ほっとしています。