私は、平成25年12月9日15時30分に離党届を提出いたしました。
私は、みんなの党の政治理念に共感したからこそ、この党から立候補をして、議席を頂いたわけです。何日も眠れず悩んだ結果、本当に断腸の思いで決断いたしました。こんな日が来るとは思っておりませんでしたので、本当に無念です。

私は、昨年12月の第46回衆議院総選挙において、みんなの党比例南関東ブロックから初当選をいたしました。みんなの党のおかげで国政の壇上に送り出していただき、現実に政策が法律の形で現実化する過程に関与することができました。
非常に多くの国会での質問を行うことができたこと、議員立法の提案者として実際に世の中が変わっていく現実を実感することができたこと、弾劾裁判などの貴重な経験をさせていただいたことなど一年生議員としては破格の経験をさせていただきました。本当にみんなの党の代表、幹事長、先輩議員や地方議員の皆様方に感謝しております。
このような多大なるご恩を頂いた皆様方に対して恩を仇で返すような形になってしまったことについては真摯にお詫び申し上げます。
また、みんなの党の支持者の皆様、椎名を応援していたという方々、地元川崎市多摩区・麻生区の皆様方にご迷惑をおかけしたことにつき、重ねて心よりお詫びを申し上げます。

私は、当選から1年未満であるにもかかわらず、このたび離党という決断をするに至りました。私は、政局より政策、ということを重視しており、通常国会中も臨時国会中も、ほとんど政局的な動きはしておりません。しかし、今回の件は、形式的には離党という手続きですが、党が分裂するという状況です。政治理念と基本政策とが一致する議員で構成されているみんなの党が、政策実現のための手段の点における違いに基づき分裂ということになった時、私は、結党の原点に立ち返り、次のような理由から新党の設立という選択をしたものです。

(1)国民目線の政治の実現
みんなの党は、『「脱官僚」「地域主権」「生活重視」で国民の手に政治を奪還する!』というスローガンを掲げています。まさに私が政治を志した原点は、「国民の手に政治を取り戻す」、という点にあります。今までの日本の政治は政局ばかりに終始し、国民不在で行われてきました。私は、この政策より政局という従来の政治に対するアンチテーゼとして、国民が自ら政治に参画しているという実感を得られるような距離が近く・透明性の高い、まさに国民目線の政治家になるべくみんなの党から立候補をしました。
しかし、本年の夏以降、みんなの党の党内では、排除の論理が行われて党内政局が繰り広げられるなど、国民の信頼感を失うような動きが多くなりました。また、重要法案への対応に関して、党内政局に利用されることもありました。重要法案に対する党の対応がブレたと評価されても仕方ないと思います。
こういった理由から失われた党への信頼、党のブランド価値はすでに回復不能な域に達しています。政局より政策というのがみんなの党のはずでしたが、いつの間にか逆転していました。
今こそ、原点である「国民が主役となる政治」を実現するために、私たち国会議員が、政局ではなく、まさに自らの信じる政策を実現するための活動をしていかなければならない、と強く感じています。そのためにも真面目に政策を実現していくことのできる新しい政党を作っていくことの必要性を強く感じます。まさに、政策的にも政策実現手法の面でもブレずに改革を実現していきたいと考えています。

(2)党の方向性の問題
みんなの党は自民党でも民主党でもない、しがらみのない立場から既得権益に切り込む大胆な改革を行うことが重要であると訴えてまいりました。しかし、党は政権与党に接近し、テコの原理で政策を実現していくという方向性に変化しました。党として掲げた政策は実現するべきものであるのは当然ですが、党の方向性・スタンスを大きく転換する場合には、当然党内での熟議の上に決定されなければならないものです。
私は、自らの選挙において、まずは責任野党として政権与党に対する健全なるチェックアンドバランスを実現していくこと、中長期的には政権交代可能な勢力を作ることが必要であると訴えてまいりました。党内での熟議のないまま政権与党との関係を深めるということであれば、私が有権者に訴えてきたこととは真っ向から矛盾します。これ以上、有権者の皆様からの期待を裏切ることはできません。
今こそ、真の改革政党を作り、政権交代可能な勢力を作る核となっていかねばなりません。これぞ、政界再編の触媒政党として誕生したみんなの党の結党の原点です。

(3)自由闊達な議論と党内民主主義
みんなの党は異論を排除する党になってしまいました。「遠心力は排除する」という表現が繰り返し述べられたほか、「何も言わないから離党してくれ」という言葉が使われるなど、みんなの党は独善政党となってしまったように思います。政党は民主主義を司る公器でありますから、党内における民主的な手続きを徹底させることは非常に重要です。民主的な手続きというのは、異論を戦わせあうことができることが大前提にあります。しかし、異論を排斥することでは、自由闊達な議論が望めません。そんな政党が民主主義を体現していくことはできません。私は党執行部に対し、異論を排除するのではなく、寛容な党運営をしてほしいと申し入れましたが、かないませんでした。
立憲民主主義を機能させていくために必要なのは、政党という組織内部における自由闊達な議論であり、それを通じた政策の練り上げです。公党として、党内民主主義の機能する政党を作り上げていかなければなりません。

以上のような点から、私は本日再出発をいたします。志を共にする優秀な同僚議員とともに、新しい政党を結成して参ります。これから、自らの信念や主義主張に忠実に行動し、新しい時代にふさわしい政治を自らの力で作っていきたいと考えています。
原発事故をきちんと収束させ、原子力に頼らない新しいエネルギーミックスを確立することこそが私の一生涯かけてやらなければならない使命です。
そして、私が理想とする国は、グローバルな競争に勝ち抜くことができる日本です。多様性、自由、そして民主主義こそがその基本です。健全な民主主義を機能させるためには、基礎インフラとして政治の安定こそが欠かせません。強すぎる与党だけではなく、健全なるチェックアンドバランスを果たしていける政権交代受け皿としての責任野党の存在を作ることが非常に重要です。一強多弱という今の政治構造を打ち破っていかなければなりません。
私の離党という判断については、これから結果を出すために行動し続けることによって後々正しかったと証明していくしかないと思っています。今後とも誠心誠意国民の皆様方と向き合って、皆様方に対してご恩返しをしてまいりたいと思っています。

平成25年12月9日
衆議院議員 椎名つよし